「恐慌に立ち向かった男 高橋是清」を読んで

先日、本屋でなんとなく手にとって購入した「恐慌に立ち向かった男 高橋是清」(松本 崇 著)を読んだ。

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主人公は日露戦争の戦費調達など、明治から昭和初期に掛けて活躍した政治家で、2・26事件で惨殺された財政専門家であることは、過去に読んだいくつかの高橋是清以外の伝記本で承知はしていた。
この本を買った時もそうした伝記本と思い込み家に持ち帰ったが、読んでみると全く伝記本とは異なり、明治・大正・昭和の大戦前における国家財政と金融の推移を、日清・日露・大東亜各戦争の戦費調達という側面から取り上げたものであった。
私の今までの読書暦は、伝記本を介しての戦国期や幕末維新期のものに偏っており、明治末期から大正・昭和初期に掛けてのものは殆ど読んでいない。
ましてや財政や金融という方面に全く疎い私にとって、この本は読んでいて非常に理解しづらいものであったが、2・26事件を経て大東亜戦争へと突入していった我が国の選択の根底に、国家財政の問題が原点としてあったという事実を、今更ながら勉強することになった。
特に印象強く読んだのは「日露戦争は財政的には日本の負け戦であった」という事と、満州開拓に日本の資金が大量に投入されたことで国内の経済状況が悪化の一途を辿り、そのカモフラージュ策のひとつとして軍部が戦争に突入していったという事である。
また、昭和8年ごろの政局は緊縮財政を目指す政府に対して、時の野党が軍部と連携するような形で内閣を追い込み、見方によっては国民の関心を戦争に導いていったのは、政党間の政局争いにも原因があったようにも思える。
現在の消費税を絡めた与党民主党と野党である自民党および公明党の、何も決まらない非難合戦と同じような具にも付かない争いごとが、昭和の初期には世界大戦にまで拡大して言ったことを考えると、なんだか空恐ろしいような気がする。
そういう意味では大阪維新の会の登場と、噂される石原新党の立ち上げとに、国民はこれからの日本を託してみたい気分になるのも頷ける。

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