「バーにゆく時間」と「カラオケに行く時間」

年末になるとテレビの報道番組でサラリーマンの忘年会の画像が流れ話題となる。
現役時代には所属する部や課の単位であったり、同期入社の仲間であったり、取引先の関係者であったりと、サラリーマンの年末恒例行事である忘年会を招集する相手には事欠かなかった。
酒席の終了後、お客様や部下をホテルや自宅に送り届ける役割を買って出る、完璧な下戸である筆者にしてそうであたったのだから、大の酒好きたちが連日連夜、巷に繰り出すのも頷ける。
そんな忘年会も「毎日が日曜日」生活に入ると殆ど無くなる代わりに、自宅の大掃除という苦役に狩り出されることになる。
年金生活者である筆者の数少ない忘年会に、20数年前の職場仲間との集まりがあり、一年に一回の懐かしい面々との再会を楽しみにしている。
この会は、20数年前に退職した女性社員と、同じ時期に転職した若い男性社員とが幹事を買って出てくれ毎年開催されている。
今年は80歳になる筆者の大先輩や、70歳になる元パート社員の女性から、40歳代後半の若者(筆者から見れば)まで、老若男女15人が集うまさに大忘年会である。
この忘年会には他の忘年会と大いに異なる特徴がひとつある。
それは、毎年12時から始まり15時までの2時間という不思議な時間帯に開催されることであるが、その理由は参加者の約半数を女性人が占めることにあり、ご主人やお子さんを自宅に残しての参加であるから頷くことができる。一方の2時間という設定も今流行の飲み放題メニューに起因するものでなにも不思議ではない。こんな真昼間に2時間飲み放題という格安メニューがあることからすると、我々だけではなくそこそこ需要はあるものらしい。
そんなことを考えていて、最近読んだ丸谷才一の「おとこのポケット」という本に「バーへゆく時間」というエッセイがあったことを思い出した。
そのエッセイは、著者が3時からのパーティーに出席して少し酔っ払ったあと、5時半くらいにバーへ行った経験談が元になっている。そのバーではマダムがホステス全員を集めて訓示中で、他の客も当然居るわけもなく気まずい思いをし、『五時なんかにバーへ行ってはいけない。従って、三時にはじまるパーティーなんてものを開くのは間違っている。』と結論付けていた。
この丸谷才一の判断が間違っていないとすると、12時から開始する忘年会はもってのほかと云うことになるが、我々はお開きのあと毎年決まってカラオケに繰り出しているが、あまり違和感を覚えないのは時代のせいなのかも知れない。
もっとも、このエッセイが書かれた昭和50年頃に開かれていたパーティーが居酒屋での飲み会となり、バーといわれた店はスナックに営業形態を変え、二次会の行き先もバーからカラオケへと変化している。
筆者が駆け出しの社会人であった当事から38年という歳月が流れており、あらゆる社会システムが進化(退廃かもしれないが)した証であり、駆け出しが「毎日が日曜日」生活者になっている時代の隔たりを素直に受け止めるしかない。

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